汚泥吸引車との費用比較

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産業廃棄物の処理手段の一つとして挙げられるのが、汚水や泥水などを吸引・運搬するバキュームカーの一種である汚泥吸引車です。汚泥吸引車の利用手段は主にレンタルですが、その際に必要な免許やかかる費用、注意点などをご紹介します。

汚泥吸引車とは?

産業廃棄物を吸引するバキュームカーの一種

汚泥吸引車はバキュームカーの一種です。吸引機とタンクを兼備しており、主に泥水や汚水、し尿などの液体を吸引し運搬します。バキュームカーと聞くとし尿運搬を行うものと考えられがちですが、工場や建設現場での汚水、泥水の回収等を行うものは汚泥吸引車と呼ばれます

車両の構造は、産業廃棄物を吸引するポンプ、吸引したものを溜めるタンク、それを排出する排出機構の3つに分かれています。

汚泥吸引車をレンタルする
には

レンタルできる汚泥吸引車の種類と
必要な免許

汚泥吸引車を利用するにはレンタルが必要です。レンタル車両の中心は4トントラックや10トントラックとなっており、運転には4トントラックでは中型免許、10トントラックでは大型免許が必要になります。

多くは24時間の使用が可能です。ポンプの形式には真空式と風量式があり、風量式では強さが段階で分かれているため、強力な吸引が必要な場合にも対応が可能です。

レンタルにかかる費用と
注意点

汚泥吸引車のレンタル料金相場

汚泥吸引車のレンタル料金相場は、4トントラックで4万円程度、10トントラックで7万円程度となっております(ポンプの操作補助を行うオペレーター付き。24時間利用の場合)。しかし、レンタル費用とは別に、吸引した産業廃棄物の処理に別途費用がかかる場合がほとんどです。

レンタル時の注意点

レンタルの際に注意すべきが不慮の事故です。例えば泥水や汚水を積みすぎると汚泥吸引車の故障に繋がり、高額な弁償金を支払うことになります。その他にも、汚泥吸引車の利用の際に誤吸引などの事故が起こる可能性もあり、注意が必要です。

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汚泥吸引車と処理プラントの比較

かかるコストの違い

処理対象汚泥量1,000tの処理に対してかかるコストを、汚泥吸引車と処理プラントで行った場合で比較してみましょう。

バキューム処理コスト

バキューム処理(汚泥吸引車)の場合、廃棄物処分費に車両費、作業費、工期を含めた価格が処理費用となります。

東海エリアで10tの大型バキュームを用意した場合、車両費は1台/1日当たり180,000円です。

1,000t÷バキューム車積載重量10t/台=100台

1日2往復で運搬した場合、工期は50日となり(100台÷2台/日)×180,000円=9,000,000円です。これが収集・運搬受託料金(A)となります。

中間処理受託料金は1㎥ あたり42,000円なので、1,000㎥×42,000円/t=42,000,000円が1,000t分の中間処理受託料金(B)となります。

最終的なコストはA+Bの合計で、9,000,000円+42,000,000円=51,000,000円となります。

引用元:セイスイ工業 公式(https://seisui-kk.com/reason/point-8/)

仮設脱水機処理コスト

処理プラント(脱水処理)による処分の場合、廃棄物処分費に仮設レンタル費、作業費、工期を含めた価格が処理費用となります。

仮設脱水プラント費とは、機材一式レンタル費と作業費、電源、管理費を合わせたものです。

3週間を処理期間とした場合、機材一式レンタル費が13,000,000円、作業費、電源、管理費に2,000,000円ほどかかるため仮説脱水プラント費(C)は15,000,000円となります。

大型アームロール車の車両費は東海エリアで1台/1日当たり40,000円、アームロール車の積載容量は8tなので、100t÷アームロール車積載容量8t/台=13台必要です。

13台×40,000円=520,000円これが収集・運搬受託料金(D)となります。

東海エリアの中間処理受託料金は1㎥あたり42,000円ですので、中間処理受託料金(E)は100t×42,000円/tとなり4,200,000円です。

最終的なコストはC+D+Eの合計で、15,000,000円+520,000円+4,200,000円=19,720,000円となります。

引用元:セイスイ工業 公式(https://seisui-kk.com/reason/point-8/)

プラントによる脱水処理を行うと、廃棄物量が1/10程度に抑えられます。そのため、500㎥以上の汚泥処理が必要な場合は、バキューム処理を行うよりも脱水処理のほうが廃棄物量が少なくなり、結果としてコストカットに繋がると分かります。

さらに、仮設水処理プラントによって工場を停止せずにスムーズな水処理ができれば、損失を最小限に抑えることもできます。

工場の停止期間中の損失イメージ図
引用元:セイスイ工業 公式https://seisui-kk.com/reason/point-8/

工程の違い

汚泥吸引車によるバキューム工法では、水処理設備の槽内に作業者が入る必要があります。有毒ガスが充満している中での作業が必要なため、従業員が危険な環境下に置かれがちです。

一方、処理プラントでの廃棄作業は槽内で作業する必要がなく、従業員に過度な危険や負担がかかりません。汚泥吸引車と処理プラントでは、このように作業工程に違いがあります。

処理能力の違い

汚泥吸引車による処理の場合、1日に100tの汚泥を処理するためには10tの汚泥吸引車10台が必要です。

それに対し、処理プラントでは汚泥の濃度に合わせて機器を選定することができます。

1時間に15tの汚泥処理能力のある機器もあり、1日8時間の稼働で120tの汚泥を処理ができます。また、24時間連続で稼働させて処理を行うことも可能です。

用途別
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業界ごとに異なる排水処理ニーズに対応するには、専門性の高い水処理技術をもつ企業の選定が鍵となります。
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ドリコHP
引用元:ドリコHP
(https://www.drico.co.jp/)
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水ingエンジニアリングHP
引用元:水ingエンジニアリングHP
(https://www.sec.swing-w.com/)
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などの排水処理の事例を持つ
第一環境アクア
第一環境アクアHP
引用元:第一環境アクアHP
(http://www.daiichikankyo-aqua.com/)
おすすめな理由

建設や維持管理のコストを抑え、水槽容量サイズの小さいバイオ接触酸化法による排水・中水利用を提供します。

導入実績

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