事業者が排水処理施設を整備するとき、国や地方自治体が補助金等を支給する制度が設けられています。排水処理設備を設けたとしても環境対策にはなりますが、売上が上がるわけではないからです。ここでは、排水処理設備を設置するときに活用できる補助金について説明しています。
排水処理施設を設置し、工業用水の利用を増やすことは経済・環境ともにメリットです。工業用水は安価で提供されているため、製品の処理・洗浄等の用途に適しています。こうした排水処理による水のリサイクルは、環境配慮にも優れ、国や地方自治体も補助金を出して普及を促しているのです。
国や地方自治体で排水処理設備に関する補助金制度を整え、排水規制を事業者に遵守してもらうことは、法令順守の面からも重要といえます。こうした理由から、国や地方自治体は、排水処理設備に関する補助金制度を整備しているのです。
排水処理設備に活用できる補助金にどのようなものがあるのでしょうか？ここでは、国と地方自治体に分けて考えてみます。
環境省は、汚水処理施設整備交付金交付要綱を定め、市町村に対して交付金を交付しています。交付金は、公共部水道、集落排水施設、浄化槽を整備するときに使用されます。
経済産業省は、工業用水道事業費補助金交付要綱を定め、工業用水の利用の普及を促進する事業に補助金を交付しています。
千葉県は、飲食店等の排水に関する合併処理浄化槽設置に関する補助金制度を設けています。
山口県は、工業用水の利用に関する水処理設備の設置に対する助成制度を設けています。医療関連、食料品、電子・機械部品などの分野で工業用水の利用の促進を進めています。
排水処理設備の導入を進めたとしても、事業者は売上が上がるわけではありません。しかし、近年SDGsなど環境配慮と社会の持続性をテーマにした経済に対する関心は高まっています。排水処理設備のコストは決して安いものではなく、ただ単に環境対策から導入することは難しいことも。そこで、国や地方自治体の補助金制度を活用して排水処理設備の導入を進めることが有益といえます。
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