地球上の水の中ですぐに使用できる水資源は約0.01%といわれています。この水資源の有効利用はもちろん、再利用について検討することも重要です。
水ビジネスは水道水やペットボトルのような飲用水の製造だけでなく、工業用水や下水処理など、水関連の生活や産業に関係するビジネスを指します。
その中でも、工場などで使用する水をつくる工業用水、水資源の有効活用を図る再利用水、汚染水の浄化と再利用を図る下水処理に関わるものを水処理ビジネスといい、高い水処理技術を提供する企業によって支えられています。
水ビジネスは一般的に水にかかわるビジネスのことですが、水処理ビジネスは人口の増加と工業化の進展における水資源の有効利用と無害化を目的としています。
水処理ビジネスには様々な企業が参入しており、水処理プラントメーカー、水道メンテナンスサービス会社、水道コンサルティング会社、総合商社などが関わっています。これらの企業が、水源の開発、水処理設備の開発、上下水道の管理などの事業を展開。水を主体にIOT、分析、医学の視点と絡めて高付加価値を生み出そうとしているのです。
また、日本においては水処理技術の海外展開のために、国も水ビジネスの海外進出をサポートするための施策を打ち出しています。
水処理ビジネスは日本国内だけでなく海外でも需要が高いのが特徴。途上国を中心に上下水道の整備が十分でない環境はまだまだ多くあります。そこに高い技術力に基づく水処理施設・設備が展開されることで、途上国の住民は安全性の高い水を飲むことができ、企業側も水処理の市場を獲得できるのです。
中でも日本の高い水処理技術は注目され、水処理ビジネスに関わる企業は増加しています。
水ビジネスの市場は、2007年の36.2兆円から2025年には86.5兆円に達するといわれています。この水ビジネス市場は、発展途上国の水事情や再利用の課題を解決することで、さらに100兆円規模まで成長するとも予想されています。
水ビジネス市場の拡大に対して、世界の水メジャーの市場シェアは2001年をピークに減少傾向にあります。現在活発に活動している企業は、シンガポール、韓国などの新興企業です。
拡大する水ビジネス市場での日本の動きとしては、活発化していると考えられます。高い水処理技術は世界の水市場に大きな影響を与えています。
たとえば海水の真水化に使用されている逆浸透膜の6割程度、高圧ポンプの6割が日本製と水処理機器のシェア率は高く、水の濁りを取り除く処理技術も日本企業が得意としている分野です。現在の日本企業の世界市場への動向は、企業の事業分野ごとに異なっています。現在は出資・経営への参画や機器の納入が主な対応です。
海外の水ビジネス市場は拡大への日本企業の参入を促進するために、官民連携で海外展開への取り組みを始めています。そして、国はアラブ連盟やサウジアラビアと政策対話を重ねることや省水型・環境調和型水循環プロジェクトの強化に取り組んでいます。
中国やインドを中心とした新興国や東南アジアの人口増加はこれからも伸びていくため、水ビジネスの需要は拡大していくといわれています。こうした世界の水ビジネスの市場で、日本のライバルになる可能性があるのは、水メジャーとシンガポールや韓国などの新興国です。
水メジャー企業は水処理事業に2000年初頭から参入していますが、その市場シェアのピークは過ぎ、現在では技術的優位性も存在していません。今後、水メジャーの社員やOBを水道コンサルタントとして活用するという動きも見られます。
シンガポールは、中国、中東、北アフリカで水ビジネスを急速に拡大、韓国も中東や北アフリカに進出しています。
日本は質の高い水処理技術を有していますが、海外の水処理事業の入札や管理の経験が乏しいことから、顧客ニーズに応えながら競争力を高めていくことに課題を抱えているようです。契約対象が海外の自治体であることや長期契約で現地通貨建ての支払いになる点、参入障壁が低いローカル企業との差別化など、技術力だけでは難しい課題も存在しています。
日本は世界の水ビジネスに対して、水処理機器製造業者が機器の製造を、エンジニアリング会社が組立てを、商社が運営管理を対応。完全な分業制をとっています。特に商社は世界各地の地域性を熟知していることから、資金調達などにも長け、水処理プロジェクトのリーダーに適任といえるでしょう。商社を中心に世界の水ビジネスに参入していくことで、高い技術力を活かせるでしょう。
日本では当たり前の水環境であっても、世界の水環境は途上国をはじめ高品質ではないエリアが多いのが現状です。そのため、世界の水ビジネス市場は拡大しています。
新興国もその市場に参入していますが、日本の高い水処理技術をもとに世界の水ビジネスの市場に参入することは大きな価値があります。製造、建設、商社などそれぞれの役割を組み合わせることで、これからの世界の水ビジネスへの参入は成功していくでしょう。
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