山梨県は、排水処理・汚泥処理業者が多いエリア。山梨市の公共下水道・合併処理浄化槽排水設備指定工事業者だけで148社も存在します(2024年10月4日時点)。
ここでは、山梨県の排水処理・汚水・汚泥処理に関する条例や、排水処理・汚泥処理業者の選び方を徹底解説しているので、参考にしてみてください。また、山梨県で水処理ソリューションを提供している企業も一覧掲載しています。
山梨県内で排水・汚水・汚泥処理では、以下の条例が定められています。条例違反に対する罰則規定も設けられており、違反行為に対しては罰金などの措置が科される場合もあるため、必ず確認しておきましょう。
下水道施設の設計・維持管理について、山梨県内で必要な事項を定めた条例です。
例えば、流域下水道の構造について、堅固で耐久性のある構造、漏水や地下水の浸入を最小限に抑える構造、地震による被害を防止する構造などの基準が定められています。
また、終末処理場の維持管理については、活性汚泥の適切な管理、沈殿池の定期的な清掃、臭気の発散防止、施設内の清潔保持など、具体的な管理基準が示されています。施設の条件によって基準が異なるため、詳細は山梨県の公式ウェブサイトにて確認しましょう。
県民の健康で文化的な生活を守るため、公害を防止し、環境負荷を低減する条例です。「公害」に含まれるのは、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭など。事業者の責務として、公害防止のための必要な措置を講じ、県の施策に協力する必要があります。
排水基準については、施設の種類(し尿処理施設、下水道終末処理施設等)や新設・既設のいずれかによって基準数値が変わってくるため、詳細は山梨県の公式ウェブサイトにて確認しましょう。
1社ずつ確認するのは大変なため、当たりをつけて絞り込むことが大切です。
例えば、上下水道施設の運営や保守点検を依頼するなら、国土交通省の下水道処理施設維持管理業者に登録されている業者の中から選ぶと良いでしょう。施設の新設・改修を考えている方は、建設業許可を確認することでプロジェクト全体を一貫して任せられます。
ある程度絞り込んだら、山梨県の施設における事例を参考にして、実際に課題を解決している実績があるか確認してみてください。現在抱えている課題を解決できる水処理技術・装置を取り扱っている業者に出会えます。
公式HPにある事例・実績から、山梨県で水処理ソリューションを提供している旨を確認できた企業を一覧掲載しています(2025年1月時点/随時更新予定)。
ウイスキー蒸溜所において、担体流動ばっ気方式を採用し、排水を下水道放流基準値以下に処理。さらに、地下水槽にボックスカルバートを用いることで、現地工事の工期短縮を実現しました。
ドリコは1950年設立の、水を専門的に扱うメーカーです。水処理エンジニアリング事業部をはじめ、メンテナンス事業部、環境薬剤事業部など様々な事業部があり、水処理のトータルソリューションを提供できるのも同社の強み。
水処理設備の設計施工から維持管理、環境薬剤の提案まで、一貫してサポートしています。このほか、地下の水資源開発も手がけており、地質調査や地熱開発、温泉開発などの分野でも事業を展開。水に関連するビジネス範囲の広さも特徴となっています。
年中無休で稼働している菓子製造工場は、生産量の増減に伴う排水負荷に対応できないため、排水処理設備を更新・増強する必要がありました。
そこで、改造工事中も排水処理を停止せずに置き換えられるクボタの膜装置を採用。液中膜技術(微細な孔を持つ膜を液体中に浸して汚れを効果的にろ過する技術)により、生産量の増減に左右されない排水処理設備を構築しました。
原水のBOD(水の汚れを測る指標)が1リットルあたり450〜1,900mgなのに対し、処理水のBODは1リットルあたり0.5〜1.7mgまで低減しています。
クボタは鋳物メーカーとして創業し、1893年より水道用鋳鉄管の製造をスタートした会社です。事業範囲を拡大し、1962年に水処理事業部を発足。以降、60年以上にわたり水周りのインフラを支え続けてきた歴史があります。
ダクタイル鉄管や水処理システム、液中膜など、多彩な製品を組み合わせたソリューションを展開。中でも膜分離活性汚泥法(液中膜による膜分離と生物処理を組み合わせた排水処理)に力を入れており、高効率な水のろ過と汚染物質の除去を実現しています。
農業集落排水処理施設の汚泥を肥料化している「とよとみクリーンセンター」では、汚泥脱水時に使用していた凝集剤(消石灰)の影響で、配管の閉塞や絶縁障害などのトラブルが頻発。また、維持管理コストが増えている課題もありました。
これらを解決するため、西原環境の汚泥処理装置を2種類導入。1つは捕捉・洗浄・搬送・脱水の4つの機能を一体化した「ロータマットスクリーン RM1型」。維持管理コストが高い破砕機が不要となり、コスト削減に寄与しています。
もう一つは、遠心力を用いて固体と液体を分離するSD遠心脱水機。自動運転可能なため、人的リソースを削減可能。凝集剤を消石灰から高分子凝集剤に変更し、配管の閉塞や絶縁障害の問題を解消しています。
西原環境は、衛生的で快適な生活環境の実現を目指し、水インフラに関わる商品やサービスを100年以上にわたって提供し続けてきた会社です。浄水場や下水処理場などの水処理施設や汚泥処理施設の設計・施工・運転管理業務を行っています。
IoTを活用した設備保全ツールや遠隔監視システム「N-Share」など、デジタル技術を取り入れた運転管理の効率化にも取り組んでいるのが特徴。高い技術開発力をもっており、専門誌への論文寄稿やシンポジウムでの発表も積極的に行っています。
富士電機の山梨工場では、パワー半導体の製造過程で大量の水を使用しています。以前は使用する水のほとんどを公共水道に頼っていたため、市水の供給量やコスト面に課題がありました。
そこで、既設の排水処理装置と新設する研削工程排水回収装置を制御するシステムを自社で構築。工場の稼働に影響しないよう、操業の合間を見ながら試験運転や検証が行われました。その結果、半導体製造に必要な水資源の約25%をリサイクルすることに成功しています。
富士電機は、電力を効率的に変換・制御するパワー半導体とパワーエレクトロニクス技術を追求している会社です。循環型社会の実現を目指しており、自社工場の排水処理や排水の再利用可などを通して、水資源の有効活用を積極的に進めています。
水処理事業は、子会社の「メタウォーター」が対応。水環境分野の各種装置、施設用電気設備等の製造・販売、各種プラントの設計・施工などを請け負っているのが特徴です。
業界ごとに異なる排水処理ニーズに対応するには、専門性の高い水処理技術をもつ企業の選定が鍵となります。
それぞれの業界特有の課題を解決した事例を持つパートナーと連携し、法規制の遵守や運用コストの最適化を目指しましょう。
導入実績
など
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